2011年1月10日月曜日

「アンサンブルズ2010」/水戸へ行ってきました

東京から水戸まで高速バスで往復3500円って知ってますか?そう、安いんです。
一昨年2009年の夏に僕が参加しているアーティストユニット「ナデガタインスタント
パーティー」が水戸芸術館「現代美術も楽勝よ。」展に参加していて以来、
僕にとって水戸は特別な場所となっていて、水戸に行くと「あ〜そうそう、なんだか
気持ちがいいなあ」となるのです。昨日も去年の春ぶりの訪問だったんだけど、次から次に
久しぶりに会う顔があちらこちら沢山あり、ほっこりしたわけです。
そんなみんなと大友さんが作り上げた展覧会に行ってきました。

大友良英「アンサンブル2010ー共振」。2008年の山口展以来、鑑賞者として、時に参加者と
して見届けている展覧会。大友さんはコラボレーションといういうか、人をいじるのがもの凄く
うまい(いじるというより「のせる」という感じかな)。2008年まで働いていた山口情報芸術
センター[YCAM]での展覧会の時に僕はエデュケーターとして関わり、大友さんの人との関係性の
作り方やプロジェクトの主体性の運営方法を間近で見て魅せられたのだった。なつかしいなあ。

昨日は展覧会を2時間ほど楽しみ、高橋さんコバフミ(小林史子ちゃん)とも合流して爆笑ランチ
をいただき、音源を聴きながら芸術館から公園まで散歩する作品を体験(要予約!おすすめ!)し、
中崎くん後藤くん寺ちゃんが運営しているスペースでこれまた大友展スピンオフ企画とこたつを楽し
み、夜は音楽家と知的障がい者の即興演奏グループ「音遊びの会」、公募参加者100人との即興演奏
「ダブルオーケストラ」のLIVEセットを満喫。ええ一日やったなあ。

昨日のライブでは、音楽の力を改めて突き詰められた体験だった。
即興演奏をしたことがある人ならわかると思うが、音を出すのはものすごく勇気がいる。
全体の音の中で、自分の音がどういう風に響いているのか。その感覚は繊細で、気にしすぎると
演奏ができないし、気にしないと演奏はなりたたない。知的障害の子や自閉症の子達は言語での
コミュニケーションは得意ではないかもしれないけど、空気を感じるコミュニケーション能力
がめちゃくちゃ高いんだと、昨日のライブを見ていてもわかった。そして空気を感じる中で、自由と
つきあい方を知っている。小さな音や、会場の空気、誰かの気持ち、そういう波のようなものを
感じて進んで行く、発見と遊びの連続がいつのまにかライブとして演奏になって45分間。

そうそう、年末にナデガタでおこなったプロジェクト「どまんなかセンター」の時も、
知的障がいを持った何人か子供たち、そのお母さん、またケアをする人達と、ほんのすこしだけ
だけど関わった時も、こんな僕でさえも、空気の感じ方と振る舞い方にすごく感動したのを覚えている。
当たり前の事を発見しただけなんだけど、そういう発見や体験って自分の肥やしになりますよね。

昨日のライブと展覧会を見ながら、「コミュニケーション」について考える。
終電まで20分。最後に一杯居酒屋に行って帰ろうと皆で水戸駅までいったが、成人式を
迎えた人達でお店がいっぱいだったので、コンビニでビールを買い、駅の改札前でのんで乾杯。
藤井くんに万歳三唱して、終電で帰って来た。
---
まちと作品の関係、人と作品の関係。今回の墨東のプロジェクトにもあたりまえのように
参考になりました。
---
こんなに思い入れのある展覧会はなかなか出会えないだろうなあ。
大友さん水戸のみんな、中崎くん、おつかれさまでした。




0 件のコメント:

コメントを投稿